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嬉野茶について

嬉野茶のルーツである釜炒手もみ茶は、約550年前、明(現在の中国)の時代に南京釜による炒葉製茶法が伝わり、嬉野式の釜炒り茶の始まりとされ、その製法をそのまま現代に伝承しています。
嬉野茶は、この釜炒手もみ茶と煎茶の長所を併せ持った蒸製玉緑茶として生産され古い歴史と新しい技術が優れた銘茶を造り出しています。

釜炒り手もみ茶は、三日月状の形をしており、保在変質が少なく、その味はカラッとした爽やかさを持っており、西洋化した現代人の食生活と相性が良いです。
ほどよい甘みとほろりとした渋みがポイントです。


「お茶の収穫時期」

 お茶は、一般的に4回収穫され、収穫時期により種類が分かれます。

4月〜5月 新茶(一番茶)
 収穫時期は、4月18日頃から約3週間で行われます。
 この時期の茶葉は柔らかく、栄養を蓄えており、味と香りにおいて最高の品質です。

6月 二番茶
 新茶の収穫から1ヶ月の期間を経て、6月10日から約2週間収穫を行います。
 二番茶の品質は良好で、この時期の暖かい気候により茶葉はぐんぐん成長します。

7月〜8月 三番茶
 二番茶の収穫からさらに1ヶ月後の7月の終わりから8月のはじめにかけて収穫を行います。
 三番茶となると品質は落ちてきて、栄養価、香りも減少します。

9月〜10月 秋冬番茶
 秋冬番茶は、9月の終わりから10月のはじめにかけて収穫を行います。
 品質は良くありません。三番茶と合わせて番茶として利用されるのが一般的です。

旬の時期(新茶・二番茶・三番茶・秋冬番茶)

蒸製玉緑茶の製造方法

茶は茶園で栽培し、適期に摘採した生葉を加工することによって製品となります。
茶葉は、摘採した時点から酸化酵素の働きによって変化(発酵)が始まります。
日本茶の場合、可能な限り新鮮な状態で熱処理(蒸す・炒る)をすることによって酸化酵素の活性を止め、葉の形状を整え、水分をある程度まで下げ、保存に耐えられる乾物状態にします。この乾物状態を「荒茶」といい、生葉から荒茶に仕上げる工程を荒茶製造(加工)と呼びます。
この荒茶製造工程で、味・香味・水色が決まります。摘採後のすばやい熱処理と、その後繰り返される揉みによりお茶の品質が大きく左右されます。

製造工程

生葉管理(送風・加湿)

摘採した生葉を放置すると、すぐに発酵が始まり、熱をもちます。品質劣化防止・鮮度維持のために、摘み取った茶葉に湿度の高い風を送り、茶葉の発酵を防ぎます。




含水率80%

蒸熱

茶葉の色を緑色に保たせながら青臭みを取り除くため、圧力の少ない蒸気で茶葉を蒸して、酸化酵素の活性を止めます。このときの蒸し時間の長さによって「味・香り・水色」の基本的な性格が決まるといわれています。

冷却・葉打ち

蒸した茶葉を高温のまま放置すると、鮮やかな色あいが失われ香味も悪くなります。
風を送り込み、急速冷却することで、茶葉の色沢と香味の保持を図ります。
茶葉の色沢・香味の向上と、次の粗揉工程の時間を短縮するために、茶葉を熱風の中で摘み込みながら乾燥します。

粗揉(そじゅう)

茶葉を柔らかくし、内部の水分を低下させるため、乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加え、適度に摩擦・圧迫しながら揉みます。

含水率50%

揉捻(じゅうねん)

茶葉をひと塊にし、加熱せず圧力を加え、揉み込みながら、茶葉の水分を均一にします。

含水率27%

中揉(ちゅうじゅう)

揉捻後の茶葉は萎縮し、形も不揃いで水分量もまだ多いため、熱風の中で打圧を加えて揉みながら乾燥させます。

締・乾燥

機械の回転によって丸形に整形します。その後、熱風で乾燥させます。これにより、長期の貯蔵に耐えるようになり、さらにお茶の香味を発揚させます。

含水率4〜5%

仕上げ加工工程へ

仕上げ加工工程

荒茶は形が不揃いで、しかも水分含有量が多いために変質しやすく、そのためまだ製品としての価値を持ちません。したがって、荒茶を製品として完成させるために、仕上げ加工を行います。
これにより、貯蔵に耐え、同時に香味を消費地の嗜好に適合するように整え、外観・内容ともに製品価値が上げられます。仕上げ加工とは、火入れ乾燥、ふるい分け、切断による整形、風力や電気的感応による選別などの工程によって分類されており、消費地の嗜好や販売価格によって調整配合を行うものです。

製造工程

合組機

合組作業は、荒茶を1度に1000kgを行います。当社の独自のブレンド技術により、お茶の持つ長所を最大限に引き出します。

総合機

投入口から供給された荒茶は、特殊回転節によって、細かい茶と大きい茶に分別されます。大きい茶葉は、回転する切断網の中で、カッターによって小さく切断され、真空突箕、静電選別機、回し節を通り、ほこり等が除去され、かりがね、白折、粉茶、本茶等に分別されます。

異物除去装置

電磁フィーダにより供給された茶葉は、急勾配の平面シュートをすべり落ちて検査部に供給され、整列された茶葉をカラーCCDカメラと赤外カメラで検査し、異物を検出すると、イジェクターから圧縮空気を出し除去します。

色彩選別機

急勾配で平面のシュート上をお茶を流し、2台の超高感度CCDカメラ、高速イジェクターによって、ケバ・棒等を識別し選別します。

遠赤外線回転火入れ機

遠赤外線と外部バーナーによるダブル加熱によって火入りを行う。遠赤外線は、直接お茶に吸収され、お茶の内部から加熱します。そのため、色、香り、風味が保たれ、コクが有り、まろやかな仕上りとなります。

お茶の完成